憧れの都心のオフィスは…について
学生のころ、いわゆる「インテリジェントビル」なるものが認知されるようになり、「社会人になったらあんなオフィスでがんがん働きたい」と思ったものです。床はフリーアクセスのタイルカーペット敷き、程よく空調が効いた空間には機能的に配列された机があり、執務スペースには最新鋭のパソコンがあって、打ち合わせ用のスペースで、入れたてのコーヒーを飲みながら同僚と議論をする、というような世界を思い描いてました。確かに、自分の夢の中はそんな社会人生活でした。ところが、ふたを開けてみると、ぜんぜん違いました。私が配属されたのは地方の出張所、昔ながらのスチールの机に黒電話がデン!とおいてあって、会議室なんかは半分物置と化していて、打ち合わせなんかしていようものならいきなり扉が開いて「ちょっと荷物入れるからね」と言われて追い立てられるように部屋を明け渡したりと、きらきらした夢は一瞬にして音を立てて崩れていきました。思えば、あんなテレビのドラマに出てくるような生活をしているほうが珍しいのですよね。都心のビル群を見ても、インテリジェントとは無縁の古ぼけた、すすけたビルばかりでしたし、自分がいかに世間知らずかと言うことを思い知ったものです。
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